週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2000年3月29日号
ハラスホテルでマジック&コメディーショー
 安い、楽しい、わかりやすい、三拍子そろった愉快なアフタヌーンショー“The Mac King Comedy Magic Show” がハラスホテルで始まった。

 コメディーショーといえば抜群の語学力が要求され一般の日本人観光客には縁遠い存在となりがちだが、このショーは語学力無しでも十分に楽しめる。なぜなら、タイトルにこそ Comedy という文字が含まれているが、このショーは 「コメディーショーにマジックが加わったショー」 ではなく、「マジックをおもしろおかしくコメディー風に演じるショー」 であり、お笑いの対象となる部分があくまでもマジックとなっているからだ。

 髪型がおかっぱ頭ということもあってか、とても 40歳には見えない童顔の “自称・ポールマッカートニー” こと Mac King 氏がとぼけた表情で次から次へと披露する滑稽なマジックが会場全体を爆笑の渦に巻き込む。
 おもちゃの釣り竿から糸を垂らし、その糸を客席側に投げるそぶりを見せた瞬間、糸の先にはどこからやって来たのか紙でできた金魚が。そしてその金魚を口に入れたかと思うと、今度は生きた本物の金魚を水が入ったコップの中に吐き出し泳がせてみせる。
 マジックそのものもさることながら、自分がマジシャンであると同時にコメディアンであることを常に意識しているのか、おどけた表情などで観客を笑わせることに余念がない。近隣ホテルで行われているトラや自動車を消してしまうような大規模なイリュージョンもすばらしいが、このショーにはそれら大規模ショーにはない一種独特な雰囲気が漂っている。

 会場も非常にすばらしい。すばらしいといっても規模が大きいとかハイテク装置がふんだんに使われているとかいう意味ではない。じつはこのショー、あの超有名なラスベガス屈指のロングランコメディーショー “Improv”の会場を間借りして行われている。日本でいうならばさしずめ浅草の演芸場といったところか。
 入口やステージ周辺が色あせた赤レンガで造られており、そこには古き良き時代のラスベガスの芸能文化が染み付いているかのような雰囲気が漂っている。
 サイズがこれまたなんともいえない。いすを適当に並べただけの客席キャパシティーは約 200席。それが非常に絶妙な広さとなっており、これよりも大きくても小さくてもこの種のショーを盛り上げるのはむずかしそうだ。ステージの幅もほんの5〜6メートルで、コメディアンなどのワンマンショーにまさにピッタリの大きさといってよいだろう。

 さてこの Mac King氏、年齢も出身地もあのランスバートン(モンテカルロホテルで行われているマジックショーの主役)と同じで、高校時代ランスバートンと一緒に地元ケンタッキーで一緒にマジックをやったこともあるという。現在ランスバートンはラスベガスで最も有名なエンターテーナーとしてこの街に君臨しているが、Mac King氏はつい先日まで、経営がおかしくなってしまったマキシムホテルで細々演じていた程度でまだまだ無名だ。今回のハラスデビューをきっかけに大いに羽ばたいてもらいたいものである。

 会場はハラスホテルのカジノフロアからエスカレーターで2階へ上がったところ。チケットもそこで買うことができる。料金は $9.95 + TAX。開演は日曜日と月曜日を除く毎日 1:00pm と 3:00pm。


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