週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2000年3月22日号
3大 “無料工場見学ツアー”
 周囲を砂漠に囲まれたラスベガスにはカジノを中心とした観光産業および金や銀などの鉱業以外、これといっためぼしい産業がほとんど存在しない。特に一般製造業にいたっては全米屈指の不毛の地と言われている。
 そんなラスベガスに少しでも製造業を誘致しようと、優遇税制などで州外企業にラブコールを送ってきた当局の努力が実ってか、ここ数年少しずつではあるが著名企業がラスベガス周辺に進出してきた。
 それら企業は、宣伝目的のみならず地域住民への貢献という意味も含め自らの工場を “無料見学ツアー” として開放したりしている。工場見学などの機会に乏しい地元子供たちが遠足などの目的地として利用できるようにするためだが、もちろん一般観光客にも開放している。
 今週はそんな企業の中から最近話題の2工場と古株的存在の1工場の無料見学ツアーを紹介してみたい。決しておとなが訪問して楽しめる場所ではないが、無料という経済的メリットのみならず教育的な見地からも子連れ家族には手頃かつ有意義な観光スポットとなるはずだ。

■■ National Vitamin Company ■■

 主要ホテル街から車でわずか 10分ほどのところにあるビタミン剤の総合メーカー National Vitamin Company のラスベガス工場。工場の完成は昨年だが、見学ツアーが正式にオープンしたのは今年の2月。
 右の写真でもわかる通り、「Tour Entrance」 と書かれた専用口が用意されているほど同社は力を入れている。それでもまだ知名度が低いためか来場者は非常に少ない。
 入口を入ると広々としたロビーに受付嬢がひとり。といっても何もする必要はなく、「いらっしゃいませ」 程度のことを英語で話しかけられるだけなので、それに軽く会釈して見学順路にしたがって勝手に進めばよい。ロビーにはビデオによる簡単な会社説明(約2分ほどの長さ)が用意されているが、見ても見なくてもどちらでもよいだろう。
 特に案内ガイドがいるわけではなく、順路にしたがって各自がガラス窓越しに工場内を見て回る。それぞれの作業工程に関して興味がある者は、その場で自動再生されているビデオによる説明を見れば詳しい内容がわかるようになっている。
 製造工程は基本的にほぼすべてが全自動で、現場で働いている作業員は各工程ごとに一人か二人いるだけだ。不気味なほど静まり返っており少々あっけない感じがしないでもない。見学通路の全長は約50m で、5分もすれば全部見て回ることができるだろう。
 順路の最後はモダンで予想以上に立派なショップになっており、出来立て(と思われる)のビタミン剤が売られている。さすがに工場だけあって、いかなるドラッグストアやビタミン専門店よりも品数は豊富だ。ビタミン剤をみやげに買いたいと思っている者にとっては絶好のショッピングスポットだろう。価格は他店との比較調査をしていないためハッキリしたことはわからないが、一般のドラッグストアよりも総じて安いような印象を受ける。
 絶対に買わなければならないというような雰囲気はまったくないが、無料で見学させてもらったお礼という意味も込めて何かひとつでも買ってあげるとよいだろう。なお、このショップ内にあるドリンクスタンドでは同社のビタミンが添加された各種フルーツスムージー(20種類ほど。どれも$3.50 前後)なども販売されている。
 営業時間は 8:30am 〜 5:00pm。土曜日、日曜日もオープン。行き方はこのページの最後に。

■■ Cranberry World West ■■

 クランベリージュースなど各種さまざまな果汁ジュースメーカーとして知られる Ocean Spray 社のネバダ工場。ガラス越しに各自自由に製造ラインを見学し、最後はショップというスタイルは前述のビタミン工場とまったく同じだ。違いをしいて挙げるならば、工場見学の順路の前半に、社歴やクランベリーの収穫方法などに関する資料や模型が展示されていることと、約50人が入れる簡易映画館があり 15分ほどの映画が定期的に上映させていることぐらいだろうか。ちなみにこの映画では、広大な農地に水を張るというまるで日本の水田のような方式でクランベリーを収穫する方法が紹介されており非常に興味深い映像を見ることが出来る。
 工場そのものはご多分にもれずほとんどが全自動で人影はない。秒速 10本というスピードで瓶詰めされていく製品が製造ライン上をひたすらに流れていく光景を見るだけで、見学自体はあっと言う間に終わってしまう。
 ショップでは同社の製品やロゴ入りグッズが売られている他、各自自由に出来立てのジュースを無料で試飲できるようになっている。
 営業時間は 9:00am 〜 5:00pm。日曜日は休み。行き方はこのページの最後を参照のこと。

■■ Ethel M Chocolates ■■

 贈答用の高級チョコレートメーカーとして知られる Ethel M Chocolates 社の工場。工場見学ツアーとしては前述の2社に比べ歴史が長く、このツアーの存在を知る者は少なくない。また同社の営業戦略がうまいのか、フーバーダム見学の観光バスなどが立ち寄るなど、訪問客が絶えない。
 工場見学自体はやはりこちらもガラス越しに各自が自由に見て回るだけで案内人などはいない。見学順路もわずか 30m 程度であっという間に終わってしまう。最後がショップになっているところも同じだが、営業的な意味合いはかなり違うようだ。前述の2社のショップはあくまでも見学コースの延長線上として利益を度外視した存在のように見受けられるが、このショップは営業拠点のひとつとして位置づけられているようで、ここでのチョコレート販売は奉仕事業といった感じは受けない。店内はゴージャスに飾られ販売員も多く、そのセールストークもかなり積極的だ。ちなみに見学終了後、このショップで見学者全員に贈答用高級チョコレートが配られるが(一粒だけ)、子供は絶対にもっと欲しくなってしまうこと間違いなしで、結局それなりの詰め合わせセットを買うことになるだろう。決して安いチョコレートではないが、見学料だと思えば高くはないはずだ。
 さて、この工場の敷地内にはなぜかちょっとしたサボテン植物園も併設されている。工場見学終了後はこの植物園の遊歩道も散歩してみるとよいだろう。
 営業時間は 8:30am 〜 7:00pm。土曜日、日曜日もオープン。行き方は以下に。

 
【National Vitamin Company への行き方】
 新フォーコーナー(MGMグランドやニューヨークニューヨークホテルがある交差点 )でレンタカーの距離計をゼロにリセットし、そこから TROPICANA 通りを西へ 0.5マイル進んだ地点の信号(INDUSTRIAL通りとの交差点)を左折(南)。あとはひたすら INDUSTRIAL通りを南へ 3.3マイル走ると (距離計の表示は 3.8 マイル) WARM SPRING通りとの交差点が出てくるのでその交差点の左奥にあるビジネスエリアの中の一番裏側の建物が目的の National Vitamin Company。
 (タイヤの空気圧などによって距離計に多少の誤差が生じる可能性があるので、上記数字はあくまでも目安程度に)

【Cranberry World West への行き方】
 新フォーコーナーでレンタカーの距離計をゼロにリセットし、そこから TROPICANA 通りを東へ 5.6マイル進んだ地点(高速道路との立体交差をくぐってから 400m先)の信号(MOUNTAIN VISTA通りとの交差点)を右折(南)。MOUNTAIN VISTA 通りを南へ 3.7マイル走った地点 (途中で大きく左にカーブして最終的には東へ向かう。距離計の表示は 9.3 マイル)にある STEPHANIE 通りとの交差点の信号を右折(南)。STEPHANIE 通りを 1.5マイル走った AMERICAN PACIFIC通りとの交差点(距離計の表示は 10.8 マイル)を左折してすぐ右側に見える大きな工場が目的の Cranberry World West。


【Ethel M Chocolates への行き方】
 この Ethel M Chocolates はストリップのホテル街から Cranberry World West へ行く途中にある。したがって行き方は途中まで Cranberry World West とまったく同じで、新フォーコーナーから TROPICANA 通りを東へ 5.6マイル進んだ地点(高速道路との立体交差をくぐってから 400m先)の信号(MOUNTAIN VISTA通りとの交差点)を右折(南)。MOUNTAIN VISTA 通りを南へ 2.1マイル走ると (距離計の表示は 7.7 マイル) SUNSET 通りとの交差点が出てくるのでその信号を左折(東)。左折してすぐの場所(100mも走らない)の中央分離帯付近に 「CHOCOLATE & CACTUS GARDEN TOUR」と書かれた看板が立っているのでそこ(信号はない)を左折。すぐ目の前の突き当たりが目的の Ethel M Chocolates。


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