週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2000年1月26日号
ワーナーブラザーズ STAGE 16 がオープン
 1月5日、ラスベガスにまたひとつ新たなテーマレストランがオープンした。映画会社ワーナーブラザーズがベネシアンホテル内にオープンさせた STAGE 16 がそれだ。テーマはもちろん映画で、「映画の撮影現場となった実際のスタジオセットの中でディナーを楽しんでいただく」(レストラン側広報資料) がコンセプトだという。

 「映画がテーマ」 といえば最近業績不振で何かと話題になっているプラネットハリウッドがすぐに頭に浮かぶが、今回取材した限りでは、この STAGE 16 はプラネットハリウッドに代表される従来型テーマレストランとは施設も料理の内容も次元がまったく異なる。

 まず規模が並外れている。映画制作のためにワーナーブラザーズが実際に所有している数あるスタジオ施設の中でも突出して大きいといわれる STAGE 16 をそっくりそのまま再現したとあって、ダイニングルームが 310席、ラウンジが 160席、バーが 120席と、何もかもが巨大だ。空間の広がりは横方向だけでなく垂直方向も半端ではなく、照明機具などスタジオセットがむき出しになった天井の高さはなんと最大で 15メートルという。
 ただ、これらの大空間はさまざまなセクションに分かれているため、ウェイトレスに案内された席にそのまま座っていたのではその大きさを体感することができない。ちなみにダイニングルームだけでも Batman、Ocean's Eleven、Casablanca、Gold Diggers の 4つのワーナー映画の名作にちなんだセクションに分かれており、それぞれが当時の撮影現場を再現したインテリアで囲まれている。どの席で食事を楽しむにせよ、帰るまでにすべての部屋を見学してみることをお奨めする。

 ちなみに今回取材時にディナーを楽しんだセクションは、このベネシアンホテルの前身であるサンズホテルを舞台にした Ocean's Eleven (オーシャンと11人の仲間) をテーマとしたダイニングルームで、サイズ的には4つの中で一番小さめだが、照明が比較的明るく主演のフランクシナトラの歌が終始流れているなど非常に和やかな雰囲気が漂っている。バットマンのセクションは天井が異常に高くやや寒々しい感じがしないでもないが、不気味なまでに暗い照明が何やら怪しげでおもしろい。他の二つのセクションはスタジオセットの中ということ以外は比較的オーソドックスだ。

 さて気になる料理だが、地中海料理から和食まで、世界中の伝統料理や素材を独創的にアレンジした料理で数々の賞を受賞してきた名シェフ Todd Sicolo 氏が “監督” を務めるキッチンステージは、ハンバーガーとサンドイッチといったどこにでもある平凡なアメリカンカジュアル料理ばかりを出す従来型テーマレストランとは完全に一線を画している。
 Sicolo 氏の料理へのこだわりが凝縮されたメニューには Tempura Sesame Chicken Satay、Sesame Seared Tuna、Salmon Tartare、Wok Fried Duck Spring Rolls など、斬新かつ本格的な多国籍料理がずらりと並んでいるが、まちがっても 「バットマン・ハンバーガー」 とか 「イングリッドバーグマン・ピザ」 などといった安易なメニューは存在していない (“Stage 16 Burger”はあるが)。

 ちなみに取材時に試した7品ほどの料理の中では Lobster and Wild Mushroom Strudel が突出して美味しかった。前述の、Tempura や Spring Rolls などは不思議な味のソースが新感覚だが、うまいかまずいかは意見の分かれるところだろう。周囲のテーブルを見渡すとひときわ目立つのが、誰もがオーダーするというこの店自慢の House Salad だが、視覚的な芸術性は感じられるもののドレッシングの味はいまいちという感じだ。パスタの Smoked Chicken Penne はアメリカのレストランにしては珍しくアルデンテに仕上がっておりまずまず合格といったところか。

 オーダーしたアイテムとは別に自動的に付いてくるパンは、硬いスティック状のもの、レーズンやナッツが入ったものなど、3〜4種類の独創的パンが筒状のペーパーにくるまれてサーブされる。これらパンは通常のバターではなく、テキーラ入りのハニーバター、ホウレンソウとナスのスパイシーペーストという2種類のディップに付けて食べさせるところが独創的だ。
 キッズメニューはコーンドッグやミートボールパスタなど7種類ありすべてが $7.95 とお手頃価格になっている。デザートはふんわりサクサクしたシナモンの香り漂うアップルピザ、赤と白のソースとベリー類の飾りが美しいクレームブリュレパイなど、とりあえず日本人の口にも合うアイテムがいくつかある。

 営業時間は 11:00am 〜 1:00am となっているが、まだ開業直後でほとんど知られていないため客の入りが少なく、早めに閉めていることもあるようだ。予約は団体でない限り不要。場所はベネシアンホテルの 2階にあるショッピングセンター Grand Canal Shoppes Canal 内の最もストリップ側の北側。

 なお、番外編の情報としてラウンジを紹介しておこう。この STAGE 16 の中には多くの人に知れてしまうのが惜しいほどロマンティックなラウンジ Velvet Lounge がある。名前の通り大きなベルベットのソファーがいくつか並んでおり、薄暗い照明と荘厳なインテリアが知的で洗練された雰囲気を醸し出している。ストリップに面したバルコニー際にあり、バルコニーからはストリップを行き交う人々やミラージホテルの火山などが見える。
 普通 STAGE 16 を訪れるとダイニングルームへ案内されてしまうためこの場所にたどり着かない。ダイニングルーム方向へ進まず入口前のギフトショップ脇の階段をいきなり 2階に上がってしまうか、もしくは一番奥のバットマンのダイニングルームから2階へ上がるとこの場所へたどり着くことができる。


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