週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2000年1月12日号
モータースポーツレストラン “RACE ROCK”
 ラスベガスにまた新たな名所が出現した。昨年秋ダウンタウンに開業したモータースポーツをテーマにしたレストラン “RACE ROCK” だ。

 テーマレストランはラスベガスにいくつもあるが、この RACE ROCK は規模も内容も他を圧倒している。
 まずそのサイズだがこれがすごい。建物自体ダウンタウン地区の商店街としてはかなり大きめだが、その 1階と 2階のほぼ全フロアをこの店が占有しているというから驚きだ。
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 内容もかなり本格的で、展示物の質も量もこれまでのテーマレストランとは比較にならないほど充実している。訪問する前は地元メディアの報道などから 「カーレースをテーマにしたレストラン」 と聞いていたので 、F1 や NASCAR など特定団体の息のかかった店としてその団体の関連グッズが細々と展示されている程度だと思っていたが、実際に訪問してみるとそのジャンルの広さに驚かされる。
 通常のカーレースはもちろんのこと、オフロードカーレース、二輪車レース、ボートレース、ドラッグカーレースなど、それぞれの分野の名車や関連品が所狭しと展示されており、案内してくれた店長 Tribus 氏も、「モータースポーツのすべてを集めた」 と胸を張る。

 また、単なるスピードを競う各種レーシングカーのみならず、アメリカらしい遊び心が漂う “BIG-FOOT” ことモンスタートラック (車高を異常に高くした改造トラックで巨大なタイヤが特徴) の展示も見逃せない。食事を楽しんでいる客の頭上にモンスタートラックが宙づりになっている光景は滑稽であると同時に威圧感がある (写真左)。そしてなんといっても極めつけは直径 3.2 メートルの世界最大級のタイヤをはいたモンスタートラックで (写真下)、この怪物車両はその右半分をこの店の2階の窓から外へ出しており (外から巨大タイヤ2つが見える)、同店のシンボル的存在となっている。

 その他、車両のみならず各種レーシングカーのエンジンやさまざまな部品、さらには有名レーサーの衣装やヘルメットなども展示されており見ている者を飽きさせない。また、ダイニングルームの周囲に設置されたモニター画面では、過去のビッグレースにおける名場面や壮絶なクラッシュシーンなどのビデオ映像が絶えず流されている。

 さて気になるレストラン部門だが、メニューのジャンルとしてはごく普通の “アメ食” と考えてよいだろう。レーシングチームが着るような上下つなぎのユニフォームに身を包むウエイターやウエイトレスを見ていると、エンジンオイルのにおいこそ想像できても、洗練された料理が出てくるとはとても思えないが、これが意外にもまともなものが出てくるから驚きだ。まだハンバーガー “Pro-Stock” などごく一部のアイテムしか試食していないため断定的なコメントは差し控えるが、とりあえずこれまでの数回の訪問においてとんでもない味のモノにはまったく遭遇していない。
 ローストチキンが “Road Runner” 、サーモンステーキが “Offshore Racer” といった具合にレースにちなんだ愉快な名称のアイテムもあるが、名前と内容には特に関係が無いようだ。このあたりの事情は他のテーマレストランと同じと考えてよいだろう。
 なお、この店の名物 “Onion Explosion”($5.95) はその名の通り丸ごと1個のタマネギが爆発したようなオニオンフライになっており、味こそごく一般のオニオンリングと変わらないが、花びら状に広がったその盛り付けと量は話題性に事欠かないので、残す覚悟でオーダーしてみることをおすすめする (これを全部食べると他のものを食べられなくなるので要注意)。

メニュー 1   メニュー 2   メニュー 3   メニュー 4

 ゴージャスなディナーという雰囲気の店ではないが、味的にはテーマレストランとしてはかなりまともな部類に入るのでランチタイムなどに気軽な遊び気分で入ってみるとよいだろう。とはいっても夜景が有名なフリーモント通りという場所柄、多くの日本人観光客にとっては夜の訪問スポットになってしまうかもしれない。ちなみにこのレストランの内部からは残念ながら電飾アーケードを見ることができない。

 1階がギフトショップ、カクテルバー、2階がカクテルバーとメインダイニングルーム。レーシングカー他、数々のテーマグッズは両フロアに展示されている。
 場所は、有名な電飾アーケード Fremont Street Experience の東端 (Las Vegas 大通りとの交差点近く)。営業時間は以下の通り。

 ・ 日〜木: 11:30am〜11:00pm (Bar のみ 深夜 12時まで)
 ・ 金、土: 11:30am〜12:00am (Bar のみ 深夜 1時まで)

 最後に、この店に興味がある者はなるべく早い時期に訪問した方がよいかもしれない。場所的に気づきにくいところに存在しているということもあり、曜日、時間帯を問わず客の入りが決して芳しくなく、早期の店じまいの可能性もあるからだ。開業直後というハンデを差し引いて考えても現在の客の入りは経営陣にとっても予想外だったのではないか。ホテル業においてもレストラン業においても “忍耐による継続” よりも “前向きな撤退” が選択されがちなラスベガス。開業後まだ2ヶ月しか経過していないが、経営陣が閉店を決断する日はそう遠くないかもしれない。


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